ニコライ堂(東京復活大聖堂)巡り
秋の穏やかな陽光の中、お茶の水のニコライ堂(東京復活大聖堂)を訪問してきました。
二年前、朝井まかてさんの「白光」を読み、ずっと訪れてみたいと思っていたのですが、コロナ禍で長い期間一般人の拝観が中止になっていて、今回ようやく実現できました。
「白光」は、日本で初めての聖像画(イコン)画師、山下りんの明治から大正にかけての波乱の生涯を描いた作品です。西洋画の艶やかさに憧れ、その絵を描く手段としてロシア正教の下で学び、ロシアに留学も果たしたものの、芸術のための絵と信仰が求める絵の落差に苦悩し挫折。それでもニコライ大主教のゆるぎない慈愛の中でりんは少しずつ信仰を深め、宗教としての絵を極めていくという史実に基づいた大河小説。
その山下りんのイコン画は、聖堂の中の左の柱にひとつだけ飾られていました。
ボランティアの方の説明によると、聖堂が建てられたのは1891年(明治24年)。ところが関東大震災で鐘楼が倒れ、それによってドームが崩壊したそうです。現在のドームはその後に復興されたものとのこと。
拝観料は300円。聖堂の中は写真が撮れないのが残念でしたが、ボランティアの方の説明も聞けてビザンチン様式の厳かな雰囲気を存分に味わうことができました。
(2023年10月、千代田区)